電子顕微鏡技術研究所

国産顕微鏡 エムカテラ の歴史

国産初の本格的顕微鏡「エムカテラ」に関する歴史を、関連会社の歴史から引用させていただいて、整理してみました。

「エムカテラ」を取り巻く、もう少し詳しい情報を追加させていただきました。

【私のコレクション】

【8台のエムカテラ】

コレクションしてある「エムカテラ」をシリアル番号順に整理してみました。並べてみると、興味深いことが少しづつわかってきますね。(「No. 15032」は、シリアル番号は大きいのですが、2番目に置きました。)いずれにしても、1914年から1933年の期間に製作された顕微鏡です。

【3種類のエムカテラ】

対物レンズの数が異なる3代のエムカテラです。

【「香川県蚕業試験場」のエムカテラ】

箱の背面に「香川県蚕業試験場」の焼印が入っています。箱の蓋が経年変化で反っていますので、修理します。本体は、硬くなっていた鏡体の動きを調整して、汚れは取りました。

【2つの「エムカテラ」(M&KATERA)】

2つの「エムカテラ」(M&KATERA)。向かって右側は、以前入手した装置。この装置は1920年に現在のオリンパス社が発売した「旭号」( https://www.olympus.co.jp/brand/museum/micro/1920_01/ )に酷似しています。シリアル番号からすると、左側の今回入手した装置の方が新しい。これは、同じ年にオリンパス社が発売を開始した「誉号」( https://www.olympus.co.jp/brand/museum/micro/1920_02/ )に似ています。いずれにしても、ツアイスあるいはライツの顕微鏡を模倣したので、同じく、2つのタイプがあるのも理解できます。

【#2000番代の古いエムカテラ】

。ライツだと思って購入しましたが、エムカテラでした。私としてはこちらの方が良かったです。しかも、2000番台なので、古い年代の製品でしょう。横置き型の収納ケースのエムカテラは初めて入手しました。箱の内部が壊れていて、部品の無いものもありましたので、修復しました

【もう一つのエムカテラ】

鏡筒部分の動きはそんなに悪くないので、スプリング部分は「分解」しないで「掃除」します。木箱と「パーツケース」は、軽く水洗しまして乾燥中しました。対物レンズ3本は、エムカテラ社製でしたが、接眼レンズは付属していた3本のうち2本はオリンパス社製の新しいものでした。

【進化したエムカテラ】

「絞り」が小さく絞れませんが、これを分解すると大変なので、このままにしておきます。鏡筒の「粗動」が緩かったので、平板ギア」の下に薄いプラスチック板を挟み込んで修正しました。「微動」は、バックラッシュがありますが、我慢します。これこそ、「オリンパス(高千穂光学)」などの顕微鏡の「原型」ですね。

【「黒い」エムカテラ】

「黒い」エムカテラを見つけました。全ての部品が純正のようです。真鍮製は全てのタイプを持っていますが、このタイプは初めてです。全ての駆動部のグリースが固まっていて、分解するのに苦労しました。これから「整備」します。木箱は背面パネルが外れていましたが、完全です。